【プロジェクト終了報告】

戦火に包まれ廃墟と化したシリアの戦場で、ピアノを弾き、歌い続けたピアニスト エイハム・アハマドさんが無事に来日を果たし、シンポジウムとピアノ演奏会を開催いたしましたのでご報告いたします。なお、詳細な事後報告を現在作成中ですので、完成次第改めてお知らせ申し上げます。

エイハムさん。日本への出発前の様子。

エイハムさんの招聘企画実現に向けて、様々な形でご支援をいただいた皆様、SSJ一同心からの感謝を申し上げます。クラウドファンディングでは1,714,000 円のご支援をいただきました。皆様のご支援が無ければ本企画は実現しませんでした。どう感謝の気持ちを表せば良いのか、適当な言葉が見つからないほどですが、本当にありがとうございました。

SSJの資金状況についてお問い合わせが相次いでおりますが、クラウドファンディングを通して私たちの手元には手数料を除いた1,399,310円が支給されます。ゆえに、本企画遂行に必要であったすべての費用をカバーすることは出来ておりません。引き続き、当団体の銀行口座にてご支援を募っております。

銀行名:三菱UFJ銀行(普通預金)
支店名:下北沢支店
支店番号:127
口座番号:0482068
口座名義:スタンドウイズシリアジヤパン

直接のご支援をお申し出いただいた皆様にこの場をお借りしてお礼を申し上げます。

エイハムさんは4月13日〜21日の日程で日本に滞在され、4月14日(土):シンポジウム@東京、4月15日(日):演奏会@東京、4月19日(木):演奏会@広島に臨みました。
21日にドイツにご帰国され、無事にご家族と再会されましたので、本プロジェクトは一区切りとなります。イベントの振り返りと共にプロジェクト終了報告とさせていただきます。

 


イベントのアップデート(SSJ事務局より)
4月14日:シンポジウム
シンポジウムには約230人のご来場者、多数のメディアにお集まりいただきました。
この日は、偶然にも米国によるシリア攻撃の日と重なりました。

キハラハント愛東京大学大学院准教授(SSJ顧問)の開会挨拶で幕を開けました。
ご挨拶では、エイハムさんの来日に至るまでの困難を鑑みて
「血と涙の結晶だと思います」と振り返りました。

ご来場者、メディアの関心もそこに集まっていたようにも思いますが、そのような中でも、黒木英充教授が歴史研究の視座からシリア内戦の構造を深く読み解き、中東ジャーナリスト川上泰徳氏が、ジャーナリズムの視点を織り交ぜつつ、日本の市民とシリア危機を結びつける視座に富んだ講演により、米国の攻撃に偏らない、多角的かつ具体的に、深いレベルでシリア危機を考える時間となりました。


そして、エイハムさんが登壇し、アラブ文学や文化を専門とする山本薫氏との対談を通して、シリア ヤルムークキャンプでの生活、シリアの現状に思うこと、演奏を続ける意味を語りました。


そして、特別にシリアの戦場で子供達と歌っていた「ヤルムークは寂しがっている」を始め3曲を歌い上げ、時に来場者にも「一緒に歌いましょう」と呼びかけ、会場は一体となりました。

質疑応答を挟み、SSJ代表の山田一竹が登壇し、尊厳を求める平和的蜂起に参加し亡くなった、2人のシリア人青年の物語をお伝えしました。
そして、「8年目を迎えたシリア危機を前に、私たち市民がいま出来ることは懸命に今日を生きるシリアの人びとに連帯を示すことである」と訴えました。

 

質疑応答の様子。多数の質疑がそれぞれの登壇者に寄せられました。

 

2011年の平和的革命、彼らは「人間として生きる尊厳」を求めていた
ということを今こそ思い出す必要があると涙ながらに訴える代表。

それは、「#StandwithSyria」というハッシュタグ・メッセージを会場に集った人びとと共に掲げ、「私たちはシリアの人びとを忘れていない、共に立ち上がる」という連帯を示すことで表されました。

「#StandwithSyria 私たちはシリアと共にある」

エイハムさんも早速シリアの中に残る家族や友人たちにこの写真を届けて下さいました。
私どもSSJでは団体の設立理念であり活動理念そのものである「#StandwithSyria」を掲げての写真撮影アクションを拡大して行き、シリアの友人たちの協力を得ながら国内外のシリアの人びとに届ける活動の展開が決定しています。詳細はこちらのページをご覧ください。

エイハムさんは、終始笑顔で会場を盛り上げる「エンターテイナー」ですが、彼が見つめてきた悲しみ、彼が抱える苦しみが溢れ出たのが2日目の演奏会でした。


4月15日:演奏会@東京

この日は、エイハムさんの歌の歌詞について語られました。友人宅を訪れると食べるものがなく、多数の猫の頭蓋骨が鍋の中から見つかった話。エイハムさんに歌詞を託した翌日に、国連の支援箱を受け取りに行き狙撃手に撃たれ命を落とした友人。逆境を生き抜く名も無き市民たちの命の物語。
「彼らに捧げます」。銀盤を力強く叩く彼の姿に、悲しみと希望が入り混じる音色に、250名の来場者と共に会場は涙と感動に包まれました。エイハムさんの演奏を通して、シリアの人びとの「生」がそこに舞い降りる、そんな感情を抱きました。
クライマックスでは、エイハムさんも様々な感情が溢れ、大粒の涙を流していました。
会場からは鳴り止まないスタンディングオベーション。
「音楽でここまで心を揺さぶられたのは初めてです」という感想が多く寄せられました。

 

4月16日:演奏会@広島
広島での演奏の前には原爆の傷跡をご自身の目で確かめました。

原爆ドームを見つめるエイハムさん。

「無辜の市民が殺戮された歴史は、ヤルムークの光景と重なる」と静かに語ったエイハムさん。この日はどうしても演奏を続けるのが苦しいコンディションでした。
必要以上な密着取材を続けたメディアへの疲れ。生まれ育ったヤルムークへの政権側による攻撃。
田浪亜央江准教授とのトークからも感じ取れた計り知れない「無力感」のもと、それでも人びとの痛みを伝えるために演奏に臨みました。
200名を超える来場者は再び一体となり、演奏を通してシリアの景色を思い浮かべ、シリアの人びとの苦しみを真摯に感じることとなりました。

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エイハムさんは、演奏をするたびに苦しい気持ちになるとおっしゃっています。それは、演奏を通してもひしひしと伝わってきます。それでも身を削り、演奏を続ける彼の姿が、私たちに突きつけるものはあまりにも大きいと感じます。

事後報告:エイハム・ヤマダ.JPG
企画の開催を喜ぶエイハムさんと山田。1年半の歳月、毎日企画のために奔走し、正直事務局としては無理だろうと思う状況でも絶対に諦めなかった山田と来日を信じ続けたエイハムさんが手を取り合う姿に、私たちも涙が溢れました。本企画は2人の信頼と情熱の結晶ではないでしょうか。

 

広報:佐々木千春(Chiharu Sasaki)
理事:山澤宗市   (Shuichi Yamzawa)

 


おかげさまで、エイハムさんの一連の来日企画は、無事成功裏に終了することができました。

彼の来日は、僕にどんな困難な状況でも声を上げ続けることの重要性を改めて示しました。
今後も私たちSSJは、彼らの明日に繋がると信じ、シリアの人びとに寄り添うことを目的とした活動を続けて行きます。シリアが本当の意味で平和を手にする日まで、決して諦めることはありません。
今後もSSJとエイハムさんはタイアップして行くことが決定しています。
こちらも随時詳細をウェブサイトやSNSにて更新して行きます。
直近では来日中にも多数のお問い合わせがあったエイハムさんの最新アルバムCDの日本販売をSSJが行うこととなりました。日本での演奏会でも披露された曲を含めて、19曲が収録されています。売り上げはエイハムさんの今後の活動につながります。詳細は、特設ページをご覧ください。

エイハムさんに同行する中、彼は贅沢な食事を好みませんでした。何が食べたい?と聞くと、答えは決まって、「何でもいいよ、ヤルムークでは草でも食べたから。」と、悲しい目で笑う姿が今でも忘れられません。

本企画の実現により、エイハムさんの活動、「シリア」というワードが急上昇したことは間違いありません。本企画は計20以上の媒体で取り上げられました。メディア掲載情報ページも間もなく公開されます。

しかし、シリアの人びとは、今日も圧倒的な破壊と殺戮に見舞われています。どうか、今後も彼らの声に耳を傾け続けてください。日々の生活で忙しい中でも、ほんの少しでも彼らの命に想いを馳せていただければと思います。

私たちは、シリアの名もなき人びとの命の鼓動をこれからも伝え続けて行きます。

引き続きのご支援をどうかよろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈りしております。

 

SSJ 事後報告幹部
本企画運営の中心を担った、理事:山澤宗市 広報:佐々木千春と共に。本企画は困難の連続でしたが、自身の時間を犠牲にして活動に身を投じてくれたメンバーに心からの感謝を贈ります。

 

戦火と逆境、そして幾度の困難を超え、日本に来たくれた愛すべき友人、エイハム・アハマド(Aeham Ahmad)に最大の感謝を捧げます。

2018年4月29日
Stand with Syria Japan -SSJ 代表
山田一竹(Icchiku Yamada)

 

SNSにてエイハムさん来日に関する情報・シリア関連情報を発信・公開しておりますので、ご覧ください。
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